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 上記1の改正は、行政手続における特定の個人 を識別するための番号の利用等に関する法律附則 第 1 条第 4 号に掲げる規定の施行の日(平成28年

1 月 1 日)以後に提出する届出書について適用し、

同日前に提出した届出書については、なお従前の 例によることとされています(平成26年 7 月改正 措規等附則45②)。連結納税制度の場合について も同様です(平成26年 7 月改正措規等附則45⑧)。

第三 準備金等関係

一 使用済燃料再処理準備金制度

1  改正前の制度の概要

 この制度は、青色申告書を提出する法人で原子 力発電における使用済燃料の再処理等のための積 立金の積立て及び管理に関する法律の特定実用発 電用原子炉設置者等であるものが、各事業年度に おいて、同法の使用済燃料の再処理等に要する費 用の支出に充てるため、同法の規定により資金管 理法人に使用済燃料再処理等積立金として積み立 てた金額に相当する金額以下の金額を使用済燃料 再処理準備金として積み立てたときは、その積み 立てた金額を、その事業年度の所得の金額の計算 上、損金の額に算入することができるというもの です(措法57の 3 ①)。

 この準備金は、使用済燃料再処理等積立金の取 戻しをしたときはその取戻しをした額を、使用済 燃料再処理等積立金の全部又は一部を有しないこ ととなった場合にはその有しないこととなった金 額を、それぞれ取り崩して益金の額に算入する等 の取崩し事由が定められています(措法57の 3 ②

③)。

 なお、連結納税制度の場合についても、同様の 措置が講じられています(措法68の53)。

2  改正の趣旨及び背景

 電力システム改革については、平成25年11月に 成立した電気事業法等の一部を改正する法律(平 成25年法律第74号)附則において改革プログラム が定められ、①広域系統運用の拡大、②小売及び 発電の全面自由化、③法的分離の方式による送配 電部門の中立性の一層の確保という 3 本柱からな る改革を行うこととされています。

 この改革プログラムを踏まえ、電力システム改 革の第 2 段階として、電気事業法を改正し、①電 気の小売業への参入の全面自由化を行うとともに、

②安定供給を確保するための措置及び③需要家保 護を図るための措置を講ずることを内容とする電 気事業法等の一部を改正する法律案が第186回国 会に提出され、同法案は平成26年 6 月11日に可 決・成立し、同月18日に公布され、原則として公 布の日から 2 年 6 月を超えない範囲内において政 令で定める日から施行することとされています。

 この第 2 段階の電気事業法等の一部を改正する 法律(平成26年法律第72号)において措置される 電気の小売業への参入の全面自由化は、具体的に は、電気の小売業への参入規制(地域独占)を撤 廃するとともに、電気事業の類型を見直し、発 電・送配電・小売の事業区分に応じた規制体系へ 移行するというものです。この改正により、現在 の一般電気事業者又は卸電気事業者が、発電部門 を分社化する可能性が生ずることとなりました。

 また、電力システム改革の第 3 段階として第 189回国会に提出された電気事業法等の一部を改 正する等の法律案では、原子力発電における使用 済燃料の再処理等のための積立金の積立て及び管 理に関する法律を改正し、使用済燃料の譲渡があ った場合の使用済燃料再処理等積立金の承継に関 する規定を会社分割による使用済燃料の移転につ いても適用する措置を講ずることとされています。

同法案は平成27年 6 月17日に可決・成立し、同月 24日に公布され、原子力発電における使用済燃料 の再処理等のための積立金の積立て及び管理に関 する法律の改正規定は、電気事業法等の一部を改 正する法律(平成26年法律第72号)の施行の日

(平成28年 4 月 1 日)から施行することとされて います。

 これらを踏まえ、租税特別措置法においても適 格分割又は適格現物出資が行われた場合の使用済 燃料再処理準備金の積立額の期中損金算入及び分 割承継法人又は被現物出資法人への使用済燃料再 処理準備金の引継ぎに関する措置等が講じられま した。

3  改正の内容

⑴ 適格分割又は適格現物出資による期中準備金 積立額の損金算入措置の創設

 青色申告書を提出する法人で特定実用発電用 原子炉設置者等であるものが、各事業年度にお いて、適格分割又は適格現物出資により分割承 継法人又は特定実用発電用原子炉設置者である 被現物出資法人に使用済燃料を移転する場合に おいて、使用済燃料の再処理等に要する費用の

支出に備えるため、当該事業年度開始の時から その適格分割又は適格現物出資の直前の時まで の間に原子力発電における使用済燃料の再処理 等のための積立金の積立て及び管理に関する法 律第 3 条第 1 項、第 2 項及び第 7 項の規定によ り同条第 2 項に規定する資金管理法人に使用済 燃料再処理等積立金として積み立てた金額のう ちその使用済燃料の移転に基因して同法第 8 条 の規定によりその分割承継法人又は被現物出資 法人が積み立てたものとみなされる金額以下の 金額をその適格分割又は適格現物出資の直前の 時に使用済燃料再処理準備金として積み立てた ときは、その積み立てた金額を、その事業年度 の所得の金額の計算上、損金の額に算入するこ ととされました(措法57の 3 ⑦)。

(注 1 ) 特定実用発電用原子炉設置者とは、原子 力発電における使用済燃料の再処理等のた めの積立金の積立て及び管理に関する法律 第 2 条第 6 項に規定する特定実用発電用原 子炉設置者をいいます(措法57の 3 ③)。

(注 2 ) 資金管理法人に使用済燃料再処理等積立 金として積み立てた金額は、原子力発電に おける使用済燃料の再処理等のための積立 金の積立て及び管理に関する法律第 8 条の 規定によりその法人が積み立てたものとみ なされた金額(適格合併、適格分割又は適 格現物出資により移転を受けた金額を除き ます。)を含むこととされています(措法57 の 3 ⑦)。

(注 3 ) 清算中の各事業年度においては、この措 置は適用できないこととされています(措 法57の 3 ⑦)。

(注 4 ) 関係法令については、下記の(参考)を ご参照ください。

 この措置は、適格分割又は適格現物出資の日 以後 2 月以内に次の事項を記載した書類を納税 地の所轄税務署長に提出した場合に限り、適用 することとされています(措法57の 3 ⑧、措規 21の 8 )。

① 適用を受けようとする法人の名称、納税地

及び法人番号並びに代表者の氏名

② 分割承継法人又は被現物出資法人の名称及 び納税地(その分割承継法人又は被現物出資 法人が連結子法人である場合には、その分割 承継法人又は被現物出資法人の本店又は主た る事務所の所在地)並びに代表者の氏名

③ 適格分割又は適格現物出資の年月日

④ 移転した使用済燃料に係る特定実用発電用 原子炉の名称及び所在地

⑤ 使用済燃料再処理準備金として積み立てた 金額及びその積み立てた金額の計算に関する 明細

⑥ その他参考となるべき事項

⑵ 適格分割又は適格現物出資による使用済燃料 再処理準備金の引継ぎ措置の創設

 使用済燃料再処理準備金を積み立てている法 人が適格分割又は適格現物出資により分割承継 法人又は特定実用発電用原子炉設置者である被 現物出資法人にその使用済燃料再処理準備金に 係る使用済燃料を移転した場合には、その適格 分割又は適格現物出資直前における使用済燃料 再処理準備金の金額のうち次の算式により計算 した金額は、その分割承継法人又は被現物出資 法人に引き継ぐものとされました(措法57の 3

⑩⑫、措令32の 6 )。

《算式》

適格分割又は 適格現物出資 直前における 使用済燃料再 処理準備金の 金額

×

適格分割又は適格現物出資に基因 して原子力発電における使用済燃 料の再処理等のための積立金の積 立て及び管理に関する法律第 8 条 の規定により分割承継法人又は被 現物出資法人が積み立てたものと みなされた使用済燃料再処理等積 立金の額に相当する金額

適格分割又は適格現物出資直前に おける使用済燃料に係る使用済燃 料再処理等積立金の額に相当する 金額

 この場合において、その分割承継法人又は被 現物出資法人が引継ぎを受けた使用済燃料再処 理準備金の金額は、その分割承継法人又は被現 物出資法人がその適格分割又は適格現物出資の

日において有する使用済燃料再処理準備金の金 額とみなすこととされています(措法57の 3 ⑩ 後段⑫後段)。

 また、使用済燃料再処理準備金の引継ぎを受 けた分割承継法人又は被現物出資法人(その適 格分割又は適格現物出資後において連結法人に 該当するものを除きます。)がその適格分割又 は適格現物出資の日を含む事業年度の確定申告 書等を青色申告書により提出することができる 者でないときは、その事業年度終了の日におけ る使用済燃料再処理準備金の金額は、益金の額 に算入することとされています(措法57の 3 ⑪

⑬、55⑯⑳)。

(注) 確定申告書等とは、法人税法第 2 条第30号 に規定する中間申告書で同法第72条第 1 項各 号に掲げる事項を記載したもの及び同法第144 条の 4 第 1 項各号又は第 2 項各号に掲げる事 項を記載したもの並びに同法第 2 条第31号に 規定する確定申告書をいいます(措法 2 ② 二十七)。

 すなわち、仮決算をした場合の中間申告書 及び確定申告書をいい、確定申告書には、そ の確定申告書に係る期限後申告書を含むこと とされています。

⑶ その他

 上記⑴及び⑵の改正に伴い、次の措置が講じ られました。

① 事業年度末の使用済燃料再処理準備金の積 立限度額となる「資金管理法人に使用済燃料 再処理等積立金として積み立てた金額」から、

その事業年度において原子力発電における使 用済燃料の再処理等のための積立金の積立て 及び管理に関する法律第 8 条の規定によりそ の法人から使用済燃料の承継又は譲渡を受け た者が積み立てたものとみなされた金額に相 当する金額を除くこととされました(措法57 の 3 ①)。

② 使用済燃料再処理準備金の取崩し事由から、

適格分割により使用済燃料に係る使用済燃料

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